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執筆者の写真ささラボ

【体験編】一夜限りの復活!地域に愛される中川運河まつり

更新日:2020年3月26日

 前回の調査に引き続き、今回の記事は特別編・中川運河まつりの体験レポートをお送りします!

 現地で撮影してきた写真から、実際の雰囲気や臨場感を想像して楽しんでいただけたらと思います。


◇挨拶編

 私たちがまず向かった先は中川運河からほど近くに佇む西宮神社


西宮神社全体像
【写真・西宮神社全体像】

 ここではヴァイオリンコンサートが開かれます。到着するとまず主催の方と挨拶をしました。和やかな雰囲気のなか、地元の方ならではの中川運河にまつわるお話を教えてくださいました。いくつかご紹介します。


・しゃもじ信仰と神社の歴史


西宮神社のしゃもじさん
【写真・神社のシンボル、巨大なしゃもじ】

 会場となる西宮神社は金刀比羅社などの別名があり、地元の方からは「しゃもじさん」と呼ばれて親しまれているようです。


参拝者によって願い事の書かれたしゃもじ
【写真・参拝者によって願い事の書かれたしゃもじ】

 拝殿には巨大なしゃもじが掲げられており、参拝者によって願い事の書かれたしゃもじが奉納されています。


神社の歴史が記された石碑「由緒記」
【写真・神社の歴史が記された石碑「由緒記」】

 また、この神社の歴史が記された石碑『由緒記』から、神社のこれまでを教えていただきました。

 西宮神社では、元々は近くを流れていた川を守る神様を祀っていましたが、一度別の場所に移されたのちに「霊夢奇変」――つまり何か災いがあって、この地へ戻されました。中川運河ができたことで、現在は運河を守る神様を祀っています。

 神社の手入れも地域の方が自ら行っているそうです。神社についてお話される姿からは、中川運河と共に地域に愛されている大切な場所であることが伝わってきました。


・小栗橋と映画『泥の河』


中川運河を架ける小栗橋
【写真・中川運河を架ける小栗橋】

 小栗橋は中川運河を架ける橋の一つです。実は、この周辺は映画の舞台・ロケ地にも使われています。当時国内で数多くの映画賞を受賞、米アカデミー賞外国語映画部門にノミネートされるなど海外でも高く評価された映画『泥の河』(1981)のロケ地となったエピソードを教えていただきました。

 そのキッカケは、監督を務めた小栗康平氏がこの地を訪れた際に自分の名前と同じ”小栗”橋に目を留めたことだったと言います。また、撮影当時は昭和50年代でありながらも、昭和30年代の大阪を舞台にした作品の雰囲気にマッチする昔ながらの風景が周辺に広がっていたためにロケ地に選ばれたそうです。

 こんな身近な場所に、名作ゆかりの地があったとは驚きでした。


◇準備編


【写真・会場の椅子並べ】

 開場の時間が近づき、本格的に準備が始まります。私たちもお手伝いをさせていただきました。


【写真・ペットボトルを手渡し】

 訪れたお客さんには、パンフレットやペットボトルとカイロを手渡します。地元の方から音楽好きな方まで集まり、用意された席はあっという間に埋まりました。


ライトアップされた鳥居
【写真・ライトアップされた鳥居】

 いよいよコンサートが始まります!


◇コンサート編


【写真・今井智景さんの挨拶】

 司会挨拶は作曲家の今井智景さんが務めました。

 ヴァイオリニストのビリアナ・ヴチコヴァ(Biliana Voutchkova)さんを迎え、演奏される現代音楽の紹介の後に早速演奏がスタートしました。


ヴァイオリニストのビリアナ・ヴチコヴァさんの演奏

 ヴチコヴァさんのヴァイオリンからは幻想的な現代音楽の音色が奏でられ、それらは遠くから聞こえる様々な環境音と調和しています。


ヴァイオリニストのビリアナ・ヴチコヴァさんの演奏

 照明効果も相まって時に演劇のように感じさせる表現力もありました。


ヴァイオリニストのビリアナ・ヴチコヴァさんの演奏

楽しめるのは演奏だけではない、これが野外コンサートの魅力なのだと感じました。


質問タイム
【写真・質問タイム】

 質問タイムでは、ヴチコヴァさんがブルガリア出身であり、以前「明治ブルガリアヨーグルト」のテレビCMにも出演されたことから「ヨーグルトは毎日食べますか?」という質問には会場に笑いが起こり、ヴチコヴァさんの音楽のルーツや演奏する現代音楽・即興音楽についての質問には真摯に受け答えされていました。

 そして、ラストに彼女自身が作曲した即興音楽を演奏してコンサートは幕を下ろしました。


【写真・広見憩いの杜に移動中】

 名残惜しくも、私たちは次の会場へ向かいます。


◇水上花火大会編

 場所を変えて、広見憩いの杜にやってきました。ここでは、祭りを締めくくる大イベント水上花火大会が行われます!

 花火文化の盛んな愛知県三河地方からやってきた花火師たちが、中川運河に浮かべた船から地域の特色ある花火を披露します。


水上花火大会に集まった沢山の観客
【写真・水上花火大会に集まった沢山の観客】

 私たちが到着した時には、既に多くの観客が集っていました。

 ついに水上花火大会が始まります!


・豊橋市発祥の『手筒花火』


豊橋市発祥の手筒花火
【写真・豊橋市発祥の手筒花火】

 始めに披露された花火は、豊橋市発祥の手筒花火です。現地の豊橋市の祭りではポピュラーな花火ですが、今回のように各地へ出張して花火ショーとしても打ち上げられているようです。昨年のラグビーワールドカップ2019表彰式で披露されたことも話題になりました。

 今回は片手サイズが1発、両手で持つ大型サイズが3発で計4発が打ち上げられました。


・岡崎市発祥の『金魚花火』


岡崎市発祥の金魚花火
【写真・岡崎市発祥の金魚花火】

 続いての花火は、岡崎市発祥の金魚花火です。その昔は、花火職人の間に一子相伝で伝えられたという伝統的な花火です。一度に500~600匹の色鮮やかな花火が、水面を金魚が泳ぐように動き回ります。


・打ち上げ花火『スターマイン』

 最後は、色とりどりの打ち上げ花火が空に舞う『スターマイン』。

 都会の真ん中で見る打ち上げ花火は格別です!


打ち上げ花火『スターマイン』
打ち上げ花火『スターマイン』

打ち上げ花火『スターマイン』

 大迫力の花火大会を終え、会場中が拍手と「ありがとう!」の声に包まれました!



まとめ

 中川運河に限らず、地域のイベントに参加してみると思わぬ出会いや発見があるかもしれません。「身近にこんな場所があったんだ!」と興味を持って、自ら進んで様々な体験をすることでその地域のさらなる魅力がきっと見えてくるはずです。今回の記事もそんなキッカケになれば…と思っています。また、この体験レポートで中川運河に興味を持った方は今後のイベントやプロジェクトもぜひチェックしてみてください。

 最後に、お世話になった内山さん、運河まつり実行委員の方々や祭りを盛り上げた地域の皆さん、貴重な体験をさせていただいて本当にありがとうございました。



【 取材・執筆:ささラボ取材班 加藤】

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