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執筆者の写真ささラボ

オアシス21で朝市?!街にも身体にも優しい!有機農業に励む農家さんが集まる朝市村


みなさんは「有機農業」という言葉を知っていますか?化学肥料や農薬を使わない安心安全な生産方法のひとつです。

噂によると病気がひいたりアレルギーが治ったりするのだとか…

そんな身体に優しい有機野菜を育てている農家さんや主催者の方へお話を伺いました!



●オアシス21オーガニックファーマーズ朝市村とは?


2004年秋からオアシス21にて毎週土曜日午前8時30分から11時30分まで開催している朝市。

東海三県で有機農業を営む農家さん達が、おいしい野菜を持ち寄り出店しています。出店している野菜はどれも農薬を使わないもので、みなさんこだわりを持って育てられているので小さな子供からお年寄りまで、全ての方が安心して召し上がりいただけます。

野菜という「モノ」だけでなく生産者さんの「想い」が直接伝わる場所こそがこの「オアシス21 オーガニックファーマーズ朝市村」です。








まずは、オアシス21オーガニックファーマーズ朝市村事務局の方にお話を伺いました!



●オアシス21 オーガニックファーマーズ朝市村について


《開催のきっかけ》「休日の朝に賑わいをつくりたかった。」

都会の休日の午前中は、朝はみんなゆっくり起きて活動を始めるので、人が少ないそうです。そういったこともあり、土曜日、日曜日にオアシス21にお客さんが来て賑わい始めるのは11時くらいからでした。そこで、休みの日の午前中の賑わいを作るため、オーガニックファーマーズ朝市村が始まりました。

当初は「本当にオアシス21まで来たお客さんが、買った野菜を持って地下鉄に乗って帰っていくのか?」といったような反対もあったそうですが、他の人がやっていないことこそ、狙い目だったといいます。


初回は2004年(平成16年)の10月。最初の頃は月の第2週と第4週のみだったそうですが、5年後に毎週になりました。

第一回の2004年10月の第2週は、丁度台風が来てしまって中止になったため、実際にスタートしたのは2004年10月の第4週だという後日談もあります。



《ターゲット》「元々のターゲットは、東区と中区と中村区の高齢者と(主婦の)女性。」

当時はお客さんを集めるために、婦人会や老人クラブの会合なんかに出かけてPRして回ったそうです。


高齢者をターゲットにしたのは、経済の循環と老人医療費削減が目的でした。高齢者の人たちに敬老パスを使って交通機関でオアシス21まで来てもらい、安全で安心な野菜を買ってもらって、あわよくば周りの店や喫茶店に入ってコーヒーを飲んでもらい、また公共交通機関で帰ってもらうという理想がありました。

高齢者が医療機関にかかる原因として、出歩かないことによる心身の不調、コミュニティに属さず孤立することによる精神の不調が挙げられます。もちろん、食べるものも大切です。

そこで、オアシス21まで出歩いてもらって好奇心を満たしてもらい、地下鉄や市バスに乗って帰ってもらうことと、朝市村で買った安心安全なものを食べてもらうことで、精神衛生にも身体的な健康にも寄与できるのではないかといいます。


実際に朝市村を開催してみると、高齢者よりも小さな子供がいる家庭の女性のお客さんが多くいらっしゃっているといいます。

小さな子供というのは、特に安心安全な食べ物が必要です。

今では、子供の健康を気にした若いお母さんや、近くのマンション住まいのお母さんなど、子育て世代の家族連れが多く訪れています。



オアシス21オーガニックファーマーズ朝市村の特徴

「慣行農法と比べて価格変動が少ないね。」

農薬を使った普通農業のことを、「慣行農業」といいます。

慣行農業では一つの産地で、作物を一斉に大量に作ります。

そのため、気候が悪いと一気に倒れてしまうので、価格変動が激しい農業だそうです。

普段は需給関係のバランスがとれるように供給していても、このように天候不順などがあると急激に価格が高騰します。

一方、オーガニックは個人でやっている人が多いこともあり、天候に合わせて工夫しながら作れるので、供給バランスが崩れにくいという特徴があります。

そのため、この朝市村では価格変動が少なく、一定の価格で商品を売ることができます。



《意義》

大きく分けて二つあるといいます。


一つ目は、「都会の消費者と田舎の生産者がお互いに語り合える場、交流の場を作ること。」

例えば、スーパーに珍しい野菜が売られていても、消費者は「その野菜をどう調理したら美味しいのか」「どうやって作るのか」が分かりません。

最近のスーパーにはその食材を使ったレシピが置いてあったりしますが、少し前まではそんなものもありませんでした。

そんな中、朝市村で消費者と農業の人が直接交流することで、消費者は「どうやったらおいしく調理できるのか」「旬はいつなのか」など、野菜について知ることができます。

一方、農家の人は消費者と直接話をすることで、「都会の消費者はこういうものを求めているのだな」ということが分かります。


また、消費者農業者間だけでなく、農業者同士での交流もできます。

自分の作っている野菜よりおいしそうな野菜を作っている農家の方に、「どうやって作っているのか」を聞くことで、土の作り方や野菜の育て方など、農業者同士の情報交換をすることができます。


二つ目は、「既存の卸売市場などとは違う立ち位置で商品を提供できること」

今の流通システムでは、「卸売市場が農産物や水産物をスーパーなどの小売企業に売る」といったように、卸売市場が農産物・水産物流通の中心にあります。

それとは全く違う位置にあるのが、このオアシス21オーガニックファーマーズ朝市村だといいます。


有機農業をしている人たちは卸売業者に参入できないことが多いそうです。

卸売業者が仕入れている小売業者の商品は、工場の製品のように、同じ大きさ・形で作られています。慣行農業によってつくられた野菜はハウスや農薬によって生産管理ができるのでこの規格に合わせて作られていますが、オーガニック農家だとそうはいきません。

しかし、規格化できないものを売ることはスーパーなどの小売店では苦手だといいます。よく売れるのは規格化されたものばかりで、そうでないものは売れ残ってしまいます。

そのため、オーガニックファーマーズ朝市村のような存在が必要になってくるそうです。




続いて、この朝市村に出店している農家さんへ取材をしました!



●愛知県武豊町『黒田農園』さん




《ご紹介》知多半島なかほどにある武豊町冨貴地区。 昔から変わらず残り続けるのどかな田園地帯を大切にしながら、温暖な気候と自然が残るこの冨貴地区で農薬や化学肥料を使用しないお米や野菜を育てています。


《出店したきっかけ》「面白そうだから」というのが1番の大きな理由。知多半島からほぼ毎週休まず下道を走って、1時間15分ほどかけてこの朝市村へ来ているそうです。


《やりがい》お客さんと顔を見て話しながら野菜やお米を売れることが楽しい!一般的な農家さんの場合は農協や業者を介して卸しているため、直接消費者の方の顔を見ることはできません。

対して、この朝市村であれば実際に食べてくださる消費者と直接やり取りすることができます。

また、本当にいいお客さんは、褒めるよりもクレームも遠慮なく言ってくださる方だといいます。

悪いことは誰にとっても言い難いものです。気に入らなかった、と何も言わないで黙って離れてしまうよりも、「この間買った〇〇が傷んどったよ」と直接言ってくださることがとても勉強になるそうです。

同時に、このようなやり取りを重ねる中で、「美味しい」とリピートしてくださる方の顔を思い浮かべながら仕事できることが、モチベーションにも繋がるそうです。

いいものを作れば「美味しい」と言ってくれるし、喜んでくれる。そして「ありがとう」と言ってくれる。

“有機野菜”がまさに人と人とを繋ぐ“有機的な”存在であると仰います。




●愛知県西尾市『緑茶の龍香園』さん



《ご紹介》「幸せな気持ちになれるお茶」「心から安心して飲みたいお茶」を栽培する緑茶の龍香園さん。平成16年より全畑無農薬栽培で、心から安心して飲めるお茶をつくっています。


《きっかけ》西尾市で化学肥料、農薬、除草剤を一切使わない安全なお茶を作っていることを、愛知の中心地である栄で多くの人に知ってほしいというのが出店のきっかけ。

また、安心安全なお茶を作り始めたのは、奥様がきっかけだそうです。

かつては病気だった奥様にも安心してお茶を飲んでもらえるように、無農薬栽培を始めました。お茶のおかげか今では奥様も元気になり、ご夫婦で仲良くお茶を売っておられます!


《やりがい》お客さんが自慢のお茶を見て行ってくれる!

この「オアシス21 オーガニックファーマーズ朝市村」にいらっしゃる方は、「良いものを買いたい」という思いや向いている方向が一緒だと言います。

だからこそ、お茶づくりやお茶の魅力を見て行ってくれるお客さんが多くいるのが魅力で、普通のマルシェにはない良さだそうです。




最後に

今回の取材を通して、オアシス21オーガニックファーマーズ朝市村の役割や魅力を知ることができました。

日頃口にする食べ物は、何よりも大切だと言います。

みなさんもぜひ足を運んで、こだわりの詰まった商品を購入してみてはいかがでしょうか。



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【取材先】

オアシス21 オーガニックファーマーズ朝市村 さん

日時:毎週土曜日時間:午前8時30分〜11時30分※会場準備が整い次第整理券が配布されます

場所:オアシス21461-0005 愛知県名古屋市東区東桜1丁目11-1

アクセス:[名古屋市営地下鉄]東山線・名城線栄駅の東改札口を出てすぐ(駅直結)[名鉄瀬戸線]栄町駅の改札口を出てすぐ(駅直結)


ふき村・黒田農園 さん

場所:〒470-2531 愛知県知多郡武豊町冨貴北側40


緑茶の龍香園 さん

場所:〒455-0894 愛知県西尾市上町南名向25

ホームページ:http://www.credesi.net/ryukoen/


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【取材・執筆】安江・江崎

 

この記事は2023年1月の情報です。


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