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執筆者の写真ささラボ

【後編】新しい祭のカタチ『オンライン津まつり』


 前編では津まつりの概要や催し物をご紹介しました。

後編では、オンライン津まつりという新しい取り組みから津まつりの未来について探っていきたいと思います!


◇385年目にして初の試みオンライン津まつりとは?


 昨年の2020年という年は新型コロナウイルスの影響で全国各地の祭りが軒並み中止となり、オンラインという形での開催も見られました。これと同様に祭りが始まって以来、津市を盛り上げてきた津まつりも中止となり、オンラインでの開催となりました。

 ここからはこの記事のメインであるオンライン津まつりについて、津市役所の奥田さんからお聞きしたお話とともにご紹介していきたいと思います!


◇オンライン津まつり開催の経緯は?どのように行われたの?


 オンライン津まつり開催の経緯としては、5月7日に津まつりの中止が決定された後も「なんとか津まつりの感動を多くの人に届けたい」という津まつり実行委員会の皆さんの思いから生まれた「新たな取り組み」として開催が決定しました。

 このオンライン津まつりは、安濃津よさこいの参加チームや郷土芸能だけではなく、ジャンル、地域を問わずリモートで撮影した映像パフォーマンスを10月10日〜31日の一定期間YouTubeで公開する形で行われました。 


オンライン開催のメリット


 メリットは大きく分けて2つあり、1つ目は毎年参加している台湾のよさこいチームも例年と変わらず参加が可能だったことだといいます。また、それに加えよさこいのネットワークを通じて新しくフランスのよさこいチームからも参加があり、2019年の参加チームが65チームだったのに対し、2020年はフランス1チーム、台湾3チームを含め199チームの参加があったとおっしゃっていました。


【2019年の台湾よさこいチームTime for Taiwanの演舞】


 2つ目は、YouTubeからの配信ということで時間や場所を選ばず視聴ができたことだといいます。期間中においての特設サイトへのアクセス数も12,800回となっていることから、多くの方に喜んで見て頂けたのではないかと語って下さいました。



オンライン開催のデメリット


 演舞の部分で、YouTubeは画面越しであるため、リアルよりも演舞の迫力が伝わりにくい点があるといいます。

 また、祭り開催エリアには商店街があり、下の写真のように祭り開催時には屋台が軒を並べ多くの人でにぎわいます。それにより、商店街のお店にも入りが増え大きな影響を与えています。それが今年はオンライン開催となったことで屋台も出店できず、にぎわいがなかったことも残念だったとおっしゃっていました。


【左:普段の商店街の様子 右:祭り開催時の商店街の様子】



実際に視聴してみて


 オンライン上ですが、多くのよさこいや伝統芸能の演舞を見ることができ、津まつりの雰囲気を感じることができました。前述のデメリットで演舞の迫力が伝わりづらい部分があるとのことでしたが事前撮影の動画の配信だけではなく、ライブ配信にすることで演舞の迫力や熱気が伝わりやすくなるのではないかと思います。

 また、自分の好きなタイミングで演舞を見ることができるので、コロナ禍が過ぎた後のリアル開催の祭りでも祭りの様子をライブ配信することで、県外の方や海外の方にも興味を持ってもらえたり、当日祭りに参加できない方も楽しむことができるのではないかと思いました。


 オンライン津まつりが開催される数日前には市内の銀行や郵便局で過去の津まつりのポスターや郷土芸能の法被、備品などの展示も行われました。



【津まつり展の様子】



◇これからの津まつり


 今回、「新しい取り組み」としてオンライン祭りを行った津まつり。

最後に、津まつりが抱えている課題とこれからの津まつりについてお聞きしました。


津まつりが抱える課題とは?


 津まつりの課題としては、来年開催への不安と次世代の育成の2つがあるといいます。

1つ目については、コロナの収束時期が分からず、今までのようなリアル開催ができない可能性があるため中止かオンライン開催かを決めるタイミングが大きな課題となっているといいます。リアル開催ではにぎわいもあり、演舞の迫力もダイレクトに伝わってくるところが魅力的ですが、早期のオンライン開催の決断をすることで時間的余裕ができ、今年はできなかったライブ配信も可能になるとのことです。

 2つ目の次世代の育成については、日本を代表する青森ねぶた祭や徳島阿波踊りなど全国的な祭りにおいても課題となっているものの一つです。津まつりを含む多くの祭りは民間中心で行われるため少子高齢化が進むにつれ、担い手不足となっています。奥田さんは「津まつりを理解して引っ張っていけるような人を求めている」とおっしゃっていました。この二つの課題からこれからの津まつりではオンラインの取り組みを充実させていくこと、次世代を育成していくための祭りの魅力発信やPR方法を考えていくことが大切だと分かりました。


◇おわりに


2020年という年はコロナによって様々なことが変化してきました。そんな中でも新しい方法を見つけ、挑戦をした人が多かったのではないかと思います。今回の津まつりも地域の方々が連携をし、挑戦をした結果生まれた新しい取り組みです。

リアル開催ができる情勢になったとしてもそれと共にオンライン祭りのレベルアップを日本中に広げていくことでまた、新たなことが見えてくるのではないかと思います。


 2021年津まつりもコロナの影響により中止となり、「オンライン津まつり2021」が開催されます。

開催期間は10月9日〜10月30日です。

情報は公式ホームページやFacebook,Instagram,Twitterで随時更新されるので、是非チェックしてみて下さい!


番外編では津の名所・名物を紹介しているのでそちらも是非ご覧下さいね!



【参考文献】


  1. 『津まつり』(http://tsumatsuri.info/)津まつり実行委員会

  2. 『祭で地方創生、日本を盛り上げる!』(https://www.kantei.go.jp/jp/singi/kanko_vision/kankotf_dai19/siryou5.pdf)オマツリジャパン


【取材先・写真、資料提供】


津市役所商工観光部 観光振興課

〒514-8611 三重県津市西丸之内23番1号

TEL:059-229-3234 FAX:059-229-3335


【執筆:ささラボ取材班 垣野】


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