みなさんは三重県の“津市”といえば何を思い浮かべますか?
天むす発祥の地、元レスリング選手の吉田沙保里さんなどなど…。
近年では二宮和也さん主演の映画『浅田家』のロケ地としても話題となっていますね。
今回の記事は、私の地元である津市で開催される大きなお祭りの『津まつり』が昨年、新しい取り組みとして行ったオンライン津まつりをご紹介すると共に歴史や魅力から祭りの未来を探っていきたいと思います。
記事は前編、後編、番外編の3編でお届けします。
前編では津まつりの歴史と祭礼、催事をご紹介します。
◇津まつりとは?歴史からご紹介!
はじめに、津まつりの概要と歴史についてご紹介します。
津まつりとは三重県津市で毎年10月に行われる伝統と現代文化が融合した津市を代表するお祭りです。
元々は寛永12(1635)年の八幡宮の氏神祭「八幡神社祭礼」から始まったとされており、今年で385年目を迎えました。(2020年時点)当時の祭礼は、8月9日に神輿が出て、八幡町の御旅所(おたびしょ)と呼ばれる所へ移され、7日間にわたって行われていました。神の遊行を意味する神輿行列と風流行列と呼ばれる豪華な衣装や造り物で群衆が囃し踊る行列とで構成され、15日朝から八幡神社境内を一巡した後、城内へ向かったとされています。
また、現在でも分部町(わけべまち)唐人踊や八幡獅子などは10月9日に八幡宮で一巡してから町内を練り歩きます。
【唐人踊(県指定無形民俗文化財)】
江戸時代の朝鮮通信使の風俗を模したもので、コミカルな踊りをし、歓喜踊の名を持つ。
【八幡獅子舞(市指定無形民俗文化財)】
江戸時代初期の記録『勢陽雑記』に祭礼行列の後尾に神輿の先達として登場。
津まつりでは金色の獅子頭が目を引く。
【しゃご馬(市指定無形民俗文化財)】
津の祭礼に古くから登場し、江戸時代では警護役、明治以降は練り物として登場するようになった。
◇時代とともに変化する祭礼・催事
そんな歴史が長い津まつりも時代と共に祭礼は変化してきました。
江戸時代初期は、大名行列や仙人、山伏の真似といった「もの真似」がされ、後期には、 山車行列や「能楽」に題をとったものが多くなり、屋台に能役者の人形などが置かれました。
明治、大正時代になるとからくり人形の山車や芸妓踊り、行列がせり上げ式の山車に仮屋台の囃子方をともなう出し物になり、華やかなものだったとされています。
現在では、日本最大級の和船山車「安濃津丸」のほか獅子舞やしゃご馬といった郷土芸能、高虎時代絵巻(仮装行列)を含む大パレードが行われています。さらに、平成11年からは安濃津よさこい、22年から4回ディズニーパレードを行うなど、新しい取り組みもされています。
【2019年大パレードのよさこいの様子】
安濃津よさこいは県内だけではなく、日本各地、海外からのチームが参加しており、パレードや舞台で演舞を行っています。よさこい目的で来場する方も多いことから、津まつりを知ってもらえるきっかけにもなるとのことです。そして各演舞は審査の対象となっており、それを勝ち抜いたチームが競い合うファイナルステージも見どころです!
また、津まつりでは毎年一日船長として著名な方を迎え、大パレードを沸かせています。過去には俳優の唐沢寿明さん、水川あさみさんなどが華を添えました。よさこいのファイナルステージと大パレードは日曜日に行われており、日曜日の来場客数が全日程の8~9割を占めていることからこのイベントが津まつり全体の盛り上がりに大きく影響しているといえます。どれも家族や友人と盛り上がること間違いなしの注目イベントです!
◇まとめ
ここまでは津まつりの歴史と祭礼、催事についてご紹介しました。
津まつりは歴史が長く、時代に合わせて催事が変化してきたことや唐人踊、しゃご馬といった古くからの郷土芸能と新しい文化であるよさこいとともに祭りを盛り上げていることを知っていただけたと思います。
特にしゃご馬と八幡獅子は大人でもびっくりしてしまうほど迫力があるので、是非リアルで体験していただきたいです!
後編はこの記事のメインである『オンライン津まつり』についてご紹介したいと思います!
【参考文献】
『津まつり』(http://tsumatsuri.info/)津まつり実行委員会
【取材先・写真、資料提供】
津市役所商工観光部 観光振興課
〒514-8611 三重県津市西丸之内23番1号
TEL:059-229-3234 FAX:059-229-3335
【執筆:ささラボ取材班 垣野】
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