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執筆者の写真ささラボ

いなべを歩こう ~緑あふれるにぎわいの森~

更新日:2019年10月29日

  みなさんは、三重県の最北部に位置するいなべ市をご存じでしょうか?

いなべ市は鈴鹿山脈の麓にあるまちで、なんと“住みやすい街ランキング”で三重県内で第1位の自然に囲まれた美しいまちなのです!

 更に名古屋市から車で約1時間で行くことができるので、アクセスもしやすいです。


食のトップランナー達のお店「にぎわいの森」
【にぎわいの森外観=写真提供:いなべ市】

 そんな自然に囲まれたいなべ市の新市庁舎建設と共に、いなべの農と呼応する食のトップランナー達のお店「にぎわいの森」が誕生しました。

 いったいどんなところなのでしょうか?早速取材してきました!


◇いなべに芽吹く新しい風


自然に囲まれた「にぎわいの森」
【にぎわいの森入り口=写真提供:いなべ市】

 にぎわいの森は、まちづくり・ひとづくりの拠点としていなべ市の新市庁舎の敷地内に今年5月にオープンしました。

 にぎわいの森の中には県外からの出店者が集まったカフェやパティスリー、ブーランジェリーなど5つのお店があり、流行中のタピオカやパンケーキ、大人気のホットドッグを食べることができます。全てのお店がいなべ市の食材を使用しているとのことです。

 外観だけでなく店内もとってもお洒落な空間でした!


【グリーンクリエイティブいなべについてパンフレットを用いて説明していただいた=撮影:永原】

 にぎわいの森は「グリーンクリエイティブいなべ」というプロジェクトから始まりました。「グリーンクリエイティブいなべ」とはいなべ市に溢れる自然、里山、農産物などの資源を(グリーン)と呼び、これらの持つ価値を新しい発想や感性である(ローカルセンス)によって磨くことで都市部の人々をも魅了するような魅力的なモノを作り出したいという想いで始まったプロジェクトです。

 具体的には、にぎわいの森などのいなべらしさや人づくりを目指す”ローカルセンスショップ事業”、いなべが好きでいなべで様々なチャレンジをする人たちと一緒にまちのPRをする”PRキャンペーン事業”、暮らしの魅力をテーマに人々のライフスタイルや風景・にぎわいの森についての情報を発信する”いなべ、暮らしを旅する事業”を行っています。取材していく中で、にぎわいの森だけでなく、いなべ市全体でまちづくりや人づくりを行っているということがわかりました。


◇必見にぎわいの森秘話

  続いては新市庁舎と商業施設の合併という全国的に見ても珍しい取り組みを行っているにぎわいの森が、どのように誕生してきたのか、さささんぽでしか見ることのできないお話をみなさんにお届けします。

 平成15年に四町が平成の市町村合併で合併したいなべ市では、それぞれの庁舎を統合する新庁舎を作ろうと動き始めた時、スローガンとして「グリーンクリエイティブいなべ」を打ち立てました。

 大型ショッピングセンターなどを誘致するのではなく、あくまで「いなべ市の良さ」を際立たせようという発想から、にぎわいの森のかたちを生み出したのです。


 「しかし、にぎわいの森を立ち上げていく中で様々な困難はありましたよ」


 取材をお伺いした市政策課の桑嶋さんは、私たちに困難のうちの一つをお話しして下さいました。都会から誘致したお店に対しての反発は、やはりあったそうです。

 しかし今後いなべを盛り上げていくうえで、いなべの外からの発想を受け入れ、お店ではいなべで採れたものを使い、新しい発想でその良さの可能性を広げることが大切であるという事を伝え、今のにぎわいの森へとたどり着きました。


地元三重県産の豚肉ソーセージを使ったホットドッグ
【食肉加工屋 FUCHITEIのホットドッグ=写真提供:いなべ市】

 にぎわいの森内の店舗の一つ「食肉加工屋FUCHITEI」では、三重県産の豚肉から作られるソーセージを使ったホットドッグをいただくことができ、あたたかなお店の雰囲気とその味からはいなべの魅力が感じられます。


5月からオープンしたにぎわいの森

「実際に始めてみて気づいた点もありますか」という私たちの質問に対しては

「来場者が予想以上に多い」と答えてくださいました。企画当初では来客数は年間に12万人、月に1万人という予想のもとで動いてきた。しかし実際は一日で3000人を超える状態の日もあり、一時は駐車場のキャパシティーが足りないこともありました。


 そのような大盛況もあって、今まで交流のなかった遠方の人たちが来るようになりました。様々な交流が生まれていることから、

 「にぎわいの森がいなべ市とほかの地域との交流の拠点となっている、これが一番大きな財産ですね」と桑嶋さんは話します。


【いなべ市政策課の桑嶋さん(右)にお伺いするさささんぽ取材班=撮影:永原】

◇これからのいなべ

 にぎわいの森で成功を収めたいなべ市。

 これからのまちづくりをどのように考え、取り組んでいくのか、私たち、さささんぽ取材班は桑嶋さんにお伺いしました。


 「いなべ市としては、今後も大都市を目指すわけではない。あくまでもいなべの良さを際立たせ、自然と向き合うような『いなべらしさ』を大切にする。そこに共感を得て貰えた人に移住してもらって、いなべらしさを貫いた『いい田舎の町』でありたいと考えている。だからこそ地元の物をこれからもどんどん外にPRしていきたい」

とお話ししてくださいました。

 にぎわいの森の展開としては、お店の業態はそのままにしていきたい。

 つまり、新たな店舗を増やすのではなく、地域の人たちと連携し、にぎわいの森の中の広い道やスペースを利用したイベントを仕掛けたいと考えているそうです。

 その理由として、市内の人と市外の人との交流の場であるにぎわいの森から市内を回って頂ける、そんなきっかけの場所にしたいという思いが大きいようです。

 にぎわいの森だけに留まらず、「いなべ全体を回っていただきたい」という強い気持ちを感じることができます。


夜は綺麗なライトアップが楽しめるにぎわいの森
【にぎわいの森の夜の姿=写真提供:いなべ市】

 いなべ市では「森の中では夜はライトアップが綺麗なので、夜に親しんでもらえる夜の時間のイベントも考えている」とのことです。

 そして、私たち取材班がお昼間のいなべ市を訪れたために、見ることのできなかった夜のにぎわいの森の風景を写真で見せてくださいました。

 写真からは、実際に歩いたお昼時のにぎわいの森とはまた一味違った、落ち着いた雰囲気を味わうことができます。


◇おわりに

 私たちは今回の取材を通してにぎわいの森の魅力だけでなく、いなべ市のまちづくりへの秘められた思いや、人との繋がりをとても大切にしていることを知ることができました。これからのにぎわいの森の展開についてもとても楽しみです。

 皆さんも自然とおいしいがたくさんつまった“森”であるにぎわいの森に訪れてみてはいかがでしょうか?

 取材に協力してくださった桑嶋さん、いなべ市役所の皆さん、ありがとうございました。



【執筆:ささラボ取材班 大川、柳沢】



今回の取材先

いなべ市役所企画部政策課

施設情報:三重県いなべ市北勢町阿下喜31番地

営業時間:各店舗ごとによって異なります

定休日火曜日(その他の休みは店舗ごとによって異なります)

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