top of page

旅館も街もリノベーション!! ~ゲストハウスHoo!Hoo!とオーナーの地域への想い~

  • 執筆者の写真: ささラボ
    ささラボ
  • 2019年10月28日
  • 読了時間: 5分

 近年、消滅可能性都市と呼ばれる地域が増加しており、各地で地域の再生を目指す活動が行われています。そんな中、地方創生の最前線として今注目を浴びているのがゲストハウスです。

 温泉街で新たなアイディアを創生するゲストハウス、Hoo!Hoo!の魅力に迫ります。


◇温泉街にシェアオフィス

 ゲストハウスHoo!Hoo!は愛知県新城市の温泉街にあります。


ゲストハウスHoo!Hoo!
ゲストハウスHoo!Hoo!全体像

 そこは日本百名湯にも数えられる湯谷温泉がとくに有名で、その周辺に古い旅館をリノベーションしたゲストハウスが建てられています。長年湯谷温泉で旅館を経営する旅館グループ『はづ』の三代目加藤直詳(かとうなおよし)さんが創設しました。


1階 カフェ&バースペース

2階 ゲストハウス

地下階 シェアオフィス


ゲストハウスHoo!Hoo!・地下階のシェアオフィス
地下階のシェアオフィス

 豊かな自然に囲まれたシェアオフィスで心身ともにリラックス!!

 なごや朝大学において新しい情報をシェアしたり、話し合いを行うおんせんシェアベースクラスとして開講されたことをきっかけとして、その受講者の協力で床塗や石垣磨きなどが行われました。

*なごや朝大学…地域の魅力について朝の一時間を利用して考えることを目的に開講した市民大学

*シェアベース…情報をシェアしたり、話し合いを行う空間


◇Hoo!Hoo!の魅力

1.足湯のデスク


温泉地ならではの足湯のデスク
足湯のデスク

 温泉地ならではの特徴となっているのが“足湯のデスク”!!

 足湯をしながらパソコンやタブレット端末で作業ができるよう机が設置されています。特定のオフィスを持たず、様々な所で仕事を行うノマドワーカーにはオススメです。


2.カフェ&バースペース


奥三河山間部の有機茶や、地酒が並んだバーカウンター
地酒が並んだバーカウンター

 奥三河山間部の有機茶や、地酒を提供!!

 またテラスからはすぐそばを流れる宇連川(うれがわ)の景色を眺めることができます。

山間の魅力を感じる若者や外国人旅行者がよく利用しているそうです。


3.一番ハードルの高い旅館業を取得

 他のゲストハウスとは異なり、Hoo!Hoo!では旅館業法の中で最も高いとされるハードルをクリアしているそうで、旅館と変わらない設備の充実さを誇っています。消防設備などが完備されたレベルの高い施設になっていることに加え、掃除が行き届いており、清潔感もあります。


◇湯谷温泉街の課題と地域への想い

 湯谷温泉街の宿泊者数は年々減少傾向にあり、新城市全体でも過疎化の問題が発生しています。それはHoo!Hoo!創設のきっかけともなった地域の抱える大きな問題です。

 ゲストハウスHoo!Hoo!のオーナーである加藤直詳さんは新城市観光政策の副委員長も兼任されています。新城市の活性化計画に取り組むだけでなく、Hoo!Hoo!を通じた地域への貢献を行っているそうです。

 はづの三代目加藤直詳さんへHoo!Hoo!と地域への想いを伺いました。


Q:はづは代々旅館業を経営してきていた中で、なぜ旅館ではなくゲストハウスとして創設しようと考えたのですか?


旅館グループ『はづ』の三代目加藤直詳(かとうなおよし)さん
取材に応じていただいた加藤直詳さん

A:加藤さん

  旅館に泊まったことのない若者をターゲットに顧客を確保していこうと考えていたからです。湯谷温泉の旅館の現状として常に満室で人がいっぱいになるわけではなく、宿泊施設を増やすこと自体疑問を持っていました。また“温泉街の中に気軽に寄れる場所をつくりたい”、“歓楽街ほどではないが足湯付きのカフェくらいはほしい”と創設以前から考えていたため、湯谷の魅力である温泉、川の景色がある場所を観光客に楽しんでもらえるよう、当初はカフェを経営する目的で創設を考えていました。

大きな利益を求めなくとも温泉街を楽しんでもらえる仕掛けを作りたいという想いが愛知県の目に留まり、そこでカフェだけでは経営が成り立たないことを理由にインバウンド目的で旅館との併設を提案されました。

しかし、若い顧客層にターゲットを変えていくことで年々減少する宿泊数の現状を変えていけるのではないかと考えていたため、旅館ではなく、若者にとっても利用しやすいゲストハウスとして創設することを決意しました。

 利益を求めず温泉街への理想を求め、実現させた加藤さん。

 地域に対する熱い想いが伝わりました。


Q:三代目として受け継ぐものはありますか?

A:加藤さん

 また先代は、はづの旅館の経営に専念していたため、地域全体の宿泊客の減少という問題に目を向ける余裕がありませんでした。そこで新城市基本計画の副委員長として、また先代から自由な立場を与えてもらったことに報いるため、少ない宿泊施設だけでも存続できる体制に編成したうえで、自身もカフェ経営で地域の貢献につなげたいと考えました。


Q:どのように地域に貢献しているのですか?

A:加藤さん

 Hoo!Hoo!の一杯無料券を各旅館に配布して宿泊しているお客さんを宿の外に出すきっかけを作っています。そのドリンクの材料は奥三河のものを使用しています。

 また、奥三河の自然をヒントにしたプラスチック成形メーカーが立ち上げたブランド“ame”の商品を店内に多く取り入れており、それを通して宿泊客に奥三河の紹介をしています。他には、朝大学を主催している愛知淑徳大学の林教授と新城市の観光基本計画に取り組んでいます。

奥三河の自然をヒントにしたブランド“ame”
ameのコースター

*訪れたお客さんに周辺のおすすめスポットを紹介!!

千枚田など季節ごとのおすすめスポットも充実!一度訪れるだけではもったいない!


◇まとめ

 加藤さんはまずは日帰りで来てもらって良さを知ってもらい次につなげたいと語っており、それが過疎化の著しい街の活性化につながると考えているそうです。

 日帰りで湯屋温泉街を楽しみたい、一人では旅館に泊まりづらい...そんな方はぜひゲストハウスHoo!Hoo!を訪れてみてはいかがですか?


今回の取材先・施設情報

所在地:愛知県新城市豊岡字滝上31-1

アクセス:豊橋駅からJR飯田線で湯谷温泉駅 北へ徒歩1分

     新東名自動車道 新城I.Cから 約15分



【取材・執筆:ささラボ取材班 則竹】

コメント


bottom of page