時をかける金時湯
- ささラボ
- 2019年3月5日
- 読了時間: 3分
更新日:2019年10月3日

今回取材したのは、金時湯という銭湯です。名古屋駅の西口から徒歩10分ほどの場所に位置する金時湯は、営業が始まってから今年で92年の歴史を誇る銭湯です。1928年に営業を開始しました。(ミッキーマウスと同い年です!)戦争のため営業を中止していた時期がありましたが、1950年からは営業を再開し今に至っています。
金時湯は名古屋市が指定する登録地域建造物資産にも90番目に登録されています。趣深い店構えで、きっと見ただけで入りたくなるでしょう。
名古屋市の登録地域建造物資産の一覧
そんな趣深い入口をくぐると、出迎えてくれたのは笑顔の素敵なおばあさんでした。

昔懐かしい雰囲気で絵にかいたような番台です。番台にはシャンプーやタオル・かみそりなどが置いてあり、手ぶらで行っても入浴することができます(有料)。銭湯は番台さんと、その長男の夫婦、番台のお孫さんで経営しています。
お客さんの多くは一人暮らしで年配の方が多いとのことです。また、観光客が夜行バスや新幹線に乗る前に訪れることが多いそうです。同業の方々が燃料費の高騰や後継者不足により廃業していく中、地元住民の愛に支持されながら金時湯は経営されています。


入り口には木造の下駄箱があり脱衣所のロッカーも木とガラスという造りです。





他にも扇風機やドライヤー、ジュースストッカー、体重計、血圧計、マッサージ機などがありました。

お風呂の入口にはケロリンと書いてある黄色の桶がありました。

お風呂の入口には広大な山脈が描かれた銭湯絵があり、銭湯に来たと感じさせるワクワク感や安心感がありました。


湯船は大きい湯船と小さい湯船、ジェット風呂、電気風呂があります。お湯は地下深くからくみ上げた良質な地下水です。少し熱めのお湯ですが、体に良いとのことです。
電気風呂は「電気は強め」との注意書きがあり、体の弱い方や心臓の悪い方は気をつけて入浴してください。ジェット風呂は泡の勢いが良くマッサージに近い感覚でとても心地が良いです。
湯船はタイルで造られており、丸みを帯びた縁に頭をのせて足を伸ばしてリラックスすることができます。
銭湯の定番と言えば、湯上り後の火照った体を冷ます扇風機の前でテレビを見ながらジュースを飲むこと、さらにはマッサージという贅沢がここでは許されます。そんな贅沢を皆さんの日常にも取り入れてみてはいかがでしょうか。
【取材・執筆:ささラボ取材班 杉田】
編集後記
名古屋駅の周辺はリニア新幹線の開通によって、急激に発展を遂げようとしています。その影響は金時湯にも出てくるかもしれません。金時湯の方が懸念に感じていたのは、地下が掘られることによって今まで通りに地下水をくみ上げることができるのかという点です。
リニアの開通は、周辺地域に大きな発展をもたらすでしょう。しかし、地域でお店を営む人々が抱えるリニアへの不安を解消し、全ての人々に納得してもらった上での開発が必要とされていると思いました。
お店情報
金時湯
住所:〒453-0016 愛知県名古屋市中村区竹橋町39−10
営業時間:15:45~22:40(23時閉店)
休日:木曜日
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