藤田正彦
一般社団法人中川運河キャナルアート 理事長
「名古屋にも、美しい水辺空間がある。そんな場所を知って、来て、感じて欲しい」。中川運河キャナルアートはそんな思いを持つ市民プロジェクトとしてスタートしました。
藤田理事長へのインタビューの後編では、若者がまちづくりに関わるにはどうするべきかを藤田さんに語っていただきます。
●今後のメインイベント「世界運河会議」
Q:世界運河会議は関連イベントを含めて4日間で2万人を目標としている大きな企画だと知りました、詳しくはどんな企画ですか?
A:藤田
世界運河会議のメインの1つは、シンポジウムです。今までは水辺に関わる日本の教授に話をしていただきました。ですが今回は、海外から水辺に関わる有名な方を呼びます。このようにまちづくりを成功させましたというような事例を翻訳しながら、講師に紹介していただきます。運河についてしっかりと学習できる企画です。
それ以外にはアートを絡めたフェスタなどをやりたいです。フェスタは多くの人に名古屋の水辺に足を運んでいただいて、魅力を感じてもらえるといいと思います。このフェスタは老若男女様々な方に参加してもらいたいです。
これはとても大きな規模の企画です。そのため、キャナルアートだけではなく、行政や企業などと一緒に進めなくてはいけません。企画を動かす組織を作り、どのように資金を集めるかなど具体的な話を今からやっていかなくてはならないです。
●若者が中川運河にできることとは?
Q:若者ができることはたくさんあると思います。何か提案などあるでしょうか?
A:藤田
中川運河や堀川、名古屋港など水辺に関わる団体は、キャナルアート以外にもたくさんあります。その中で、自分たちがこれならやってもいいなという活動があればそれに手を上げればいいと思います。まずは、関わるということが重要です。
関わっている人にしかないメリットとして、一般の企業に入ると上の人の命令を聞かないといけないですよね?しかし、ボランティア活動ではみんなが平等です。学生であっても同じです。
ちなみに、キャナルアートで活躍されている最年長の方は70代です。しかも、様々な業界でご活躍されてきた方、現在も業界をリードしているような方が多くいます。そのような素晴らしい方々と同じ目標を持って動くことができ、普通に話せる環境があります。そういう方たちの話が聞けるだけでもとても勉強になるはずです。
自分たちの活動や提案が、もしかしたら将来のまちになるかもしれません。それって素晴らしくないですか。そのためには、歴史や文化を知ることからはじめてみて、好きになったら関わってみればいいと思います。
【取材・執筆:ささラボ取材班 三沢壮志・萩原亜里沙】
編集後記
●知ることも地域貢献
今回の取材を通して、藤田さんの中川運河や周辺の地域を活性化したいという想いや情熱をとても感じました。藤田さんは、自分たちが頑張るだけではこの地域はよくならない、私たちのようなこれからを担う若い世代が積極的に地域をよくするために行動をしなくてはならないことを訴えていました。その方法は実に様々で、大なり小なり必ずできることはあり、それをやるかどうかが大切なことと学ばせていただきました。今回の記事を読んでいただき、中川運河の現状や、キャナルアートの活動を知っていただくだけでも大きな地域貢献の1つです。次はぜひ、この記事を家族や友人の方と共有していただき、地域活性化の和を広げていただけたら、こんな嬉しいことはありません。
【三沢】
●取材を通じて考えたこと
私は中川運河再生計画について調べるまでは、中川運河がどこからどこまでかも知りませんでした。藤田正彦さんに取材できるという貴重な機会をいただき、調べていく中でアートに重点を置くのはなぜだろう、運河にこだわるのはなぜだろう、地域の方々はどう思っているのか、疑問だらけでした。今回の取材を通じて、ホームページでは決して目にする事が出来ない創設に秘められた想い、人々に伝えたい想いを知りました。そして、私が理解した内容をこの記事で伝えられたのではないかと思っています。記事を読むことで、中川運河に興味を持ち街づくりに参加していく人々が増えていけばいいなと思います。取材に協力していただいた藤田さん、ありがとうございました。
【萩原】
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