前回に引き続き、SOCIAL TOWER MARKETを紹介していきます。後編では、このマーケットイベントの運営事務局、株式会社ザ・ソーシャル様の代表である青木さんと長崎さんに、イベントの運営や歴史などについてお聞きしたので、その様子をお伝えします!
―― SOCIAL TOWER MARKETの初期の様子について教えてください
初回のマーケットは、前例がなく、公園を利用する様々な方々に配慮が必要ということで、行政側も積極的ではありませんでした。当時テレビ塔の下あたりの久屋大通公園ではイベントも少なく、寂しさがありました。特に桜通を挟んだ北側は閑散としていたため、マーケットでは北側のエリアにも人が来るようにしてほしいという条件で開催することになりました。日にちについても調整が難しく、初回は名古屋まつりと同時開催という形になりました。そのため、お店の種類にも制約があり、難しかったです。
開催してみると、とても多くの方に来ていただきました。行政も納得してくれて、以降開催するたびに規制が緩和され、規模を大きくすることができました。それまでやったことのなかったことをやっていったことが印象的でしたね。
――初回のイベントでは、お店はどのようにして集まったのですか?
私たちが直接お店に出向いて、声を掛けて周りました。初回は60店舗に満たないくらいの数のお店が集まりました。野菜を売るお店などもありました。現在に比べればかなり小規模でしたね。
(補足:初回は52店舗でしたが、その後規模が拡大し、第3回では100店舗を突破、2021年に名古屋城で開催されたマーケットでは、過去最大の240店舗が出店しました!)
――お二方はこの活動に参加する前は、どのようなことをされていましたか?
また、初回のマーケットはどのような人たちが運営されていたのですか?
青木さん:私は元々デザイナーとして活動していました。運営していたメインの団体は「大ナゴヤ大学」でした。この団体は会社員や放送作家、名古屋おもてなし武将隊として活躍されている方も参加されていましたね。
長崎さん:私は当時名古屋市の職員としてイベントの担当をしていました。部署の異動で担当を外れてしまいましたが、その後はボランティアとして参加していました。
(補足:大ナゴヤ大学は、地域活性化のために様々な活動をしているNPO法人で、2009年9月に設立されました。初回のマーケットは、名古屋市が主催し、その後は「SOCIAL TOWER PROJEC実行委員会」が主催しています。)
――コロナ禍はどうでしたか?
開催時期がちょうどGoToトラベルが行われているなど、コロナも比較的落ち着いている時期で、なんとか開催することができました。感染対策として、テントの間隔を2mに、出店数も60店舗程度に絞りました。開催を待っていた方も多く、子どもたちの喜ぶ姿も見られました。良い声もある一方で、否定的な声もあり、関わる人たちの様々な感情に触れることが多い時期でしたね。
――前回のマーケットのテーマ【「おやつと喫茶 」や「植物とアクセサリー」】はどのようにして決めましたか?
テーマを設定したのは今年からですね。オアシス21で開催することになり、比較的小規模なイベントになるため、テーマを決めて内容を濃くしようと考えました。内容はお客さんの今までの反応を参考に、スタッフメンバーの興味のあるものから選びましたね。
――現在、お店をどのようにして集めていますか?
広範囲に募集しています。関東圏や四国、九州からも来てくれますね。一度参加してくれたお店の中には、イベントのファンになってくれた方もいて、何回も応募してくれます。一回出店してくれたお店は何度も参加してほしいのですが、参加枠は増やせないので悩ましいですね。現在は約500店舗が応募してくれています。
―― とても多いですね!そこからどのようにしてお店を選んでいるのですか?
お客さんと直接お話しし、熱い思いを伝えられる出店者さんや、商品に対して唯一のものがあって、こだわりを持っているお店を選んでいます。
――これまでの活動を通して嬉しかったこと、印象に残っていることは何ですか?
青木さん:一回目の開催のときから賛同し、参加してくれているお客さんやお店の人が応援し続けてくれることですね。点として嬉しいことがあるというよりも、線としてずっと嬉しいことが続いている感じ、たくさんの人からの応援が嬉しいです。
長崎さん:お店の人やボランティアの方に直接良い評価をもらえるのは嬉しいです。「他と比べて一番良い」や「また参加します」などと言ってくれたのが嬉しかったですね。
(補足:ボランティアの方は今後も随時募集するそうです!前回のイベントでは約120名の方が参加。学生も多いそうです!)
――苦労したことについては何かありますか?
久屋大通公園の改修工事により商業施設が立ち並ぶようになったことで、公園が大きく変わりました。それまで使えていた敷地も使えなくなり、自分たちのいわばフィールドが失われたように感じたことですね。また、コロナ禍での近隣住民への騒音問題や、感染対策など、良い雰囲気とは言えないこともありました。しかし、そうしたことがきっかけで、名古屋城やオアシス21での開催に繋がることになりました。名古屋城での開催は大好評で、苦しいこともありましたが、結果的に良い出会いに繋がることができたため、悪いことばかりではありませんでしたね。
――法人化されたとのことですが、普段はどのようなことをされていますか?
イベントの規模が大きくなったので、2020年に法人化を決意し設立しました。普段行っている事業は一言で表すのは難しいですね。街づくりに関するアドバイスや、その一環で地域の情報発信や情報誌の作成、イベントの運営などを行っています。SOCIAL TOWER MARKETも、久屋大通エリアの活性化を目的としているため、一つの手段として運営している、社会実験みたいな面もありますね。他には、とある自治体との連携事業に向けて準備しています。
――最後に、今後の目標について教えてください
青木さん:オアシス21でのイベントを栄の名物にしたいですね。栄の街は変化しているので、それに連動していきたい。また、変化する場所もあれば変わらないところも残し、そのコントラストを作りたいですね。そこに行くと面白いことがあるというイメージを定着させたい。
長崎さん:最近応援してくれる方が増えています。街を変えていくためには、街の人の心を変えていかないと難しい。会社としての存在感や信頼感を出せるといいですね。
◎最後に
今回は、前半と後半を通じてSOCIAL TOWER MARKETについて深く掘り下げてみました。お忙しい中取材に応じてくださり、写真も提供していただいた株式会社ザ・ソーシャルの青木様と長崎様へ心から感謝申し上げます。今回の取材を通して SOCIAL TOWER MARKETの魅力や会社としての思いを知ることが出来ました。皆さんもSOCIAL TOWER MARKETに足を運んでみて下さい!
【お知らせ】
10月に名古屋城、11月・12月にオアシス21でもマーケットがあります。皆で作り上げるマーケットに是非足を運んでみて下さい!
詳しくは下記記載の公式WEBサイトやSNSをチェック!
↓ ↓ ↓
公式WEBサイト:http://thesocial.jp
公式Facebook:https://www.facebook.com/socialtower.JP
公式Twitter: https://twitter.com/socialtowerjp
公式Instagram:https://www.instagram.com/socialtower.jp
【取材先・写真・情報提供】
SOCIAL TOWER PROJECT 事務局、株式会社ザ・ソーシャル
〒460‐0003
名古屋市中区錦三丁目6番15号先 名古屋テレビ塔3階
【会場アクセス】
◎久屋大通公園
愛知県名古屋市中区錦3丁目
地下鉄名城線・桜通線「久屋大通」駅下車すぐ
地下鉄名城線・東山線「栄」駅下車すぐ
名鉄瀬戸線「栄町」駅下車すぐ
◎オアシス21緑の大地(地上階)
愛知県名古屋市東区東桜1丁目11−1
名古屋市営地下鉄東山線・名城線「栄」駅下車すぐ(駅直結)
名鉄瀬戸線「栄町」駅の改札口を出てすぐ(駅直結)
◎名古屋城
愛知県名古屋市中区本丸1番1号
名城線 「市役所」 駅下車 7番出口より徒歩 5分
名鉄瀬戸線 「東大手」駅下車 徒歩15分
※この記事の情報は2022年7月末時点のものです。
【取材・執筆:辻ゼミ 8期生 前田・高橋・岡田・斎藤】
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